1984年にConwayら1,2)は、近赤外分光法をヒトの体脂肪の測定に導入しました。測定の原理は、すべての有機化合物が近赤外域に特有の吸収帯を持つことを利用し、近赤外線を試料に照射したときの吸収スペクトルを分析することにより、その物質の組成を定性・定量化するというものです。純粋な脂肪と水分はそれぞれ930mmと970mmの波長に特有の吸収帯を持ち(図1)、体脂肪の多い者は脂肪の吸収帯にスペクトルの大きなピーク値が現れます(図2)。そこで、特定の身体部位における近赤外スペクトルを光学データによって直接通的に光の反射が正確に識別され評価されます。測定部位としての上腕二頭筋は、米国政府の多数の研究を通じてからだ全体的な体脂肪率と直接相関関係にあることから決定されました。